エヴァーグレーズ国立公園(アメリカ)|世界遺産検定のお勉強ブログ
今回はアメリカのエヴァーグレーズ国立公園を紹介します!
テキスト公式キャッチフレーズ
多様な生態系を育んできた巨大湿原
エヴァーグレーズ国立公園
アメリカ合衆国
登録年…1979年
拡張年…
危機遺産登録…1993年~2007年、2010年~現在
英名…Everglades National Park
仏名…Parc national des Everglades
位置…アメリカ南東部フロリダ州南端エヴァーグレーズ
経緯…N25 33 16 W80 59 47
面積…資産592,920 ha (6105km²)
登録区分…自然遺産
登録基準…(8),(9),(10)
登録ID…76
IUCN分類…II(国立公園)
公式テキスト分類…南北アメリカの生物多様性に関する自然遺産
公式テキスト掲載ページ…第③巻247p
公式サイト…ユネスコ本部(英語)
概要
エヴァーグレーズ国立公園は全米で最も大きい湿原地帯にある国立公園です。ワニやマナティーなどの貴重な生息域にもなっています。
なお、後述しますが、危機遺産に2回登録されたちょっと特別な世界遺産でもあります。
歴史
1934年に、
米国の国立公園として認定されました。されたんですが、
1947年末まで
完全には設立されませんでした。公園は
1976年10月に
生物圏保護区に指定され、
1978年11月、
世界遺産登録に先駆けて公園のほとんどが自然保護区域に指定されました。
amicalola滝の地質
1979年には
自然遺産として世界遺産に登録されました!
1987年6月4日には
ラムサール条約登録地としてリストアップされた。
しかし、
1992年には
ハリケーン「アンドリュー」がこの地を襲い、その他にも水位の低下や水質汚染が進んだ為、
1993年に
危機遺産に登録されてしまいます。
これを受けて
2003年には
公園内の自然保護区域が公園の約86%となる5,247㎢となり、
2005年に
ハリケーン「ウィルマ」のダメージで再び破壊されますが、
2007年に
危機遺産リストから削除されました。
ここらへんは後述します。
しかし、水生生物の生態系の悪化などを理由に
2010年に
再び危機遺産に登録されてしまいました…。
特徴
・後述しますがハリケーンの被害を受けやすく、危機遺産登録の原因にもなっています。・この辺り一帯は全米でも最大の湿原地帯で、世界遺産としては湿原地帯の約20%が登録されているに過ぎませんがそれでも面積は6105km²!
・湿原の最大幅は150㎢ですが平均水深は約30㎝と非常に浅めで、水源のオキーチョビー湖からフロリダ湾まで一日に数㎝から数十mというゆったりした速度で水が流れ出します。
・源流に近い上流部にはハンモックと呼ばれる常緑高木や熱帯植物が育つ島々があり、水面上の露出部分が数㎝しかないもののマホガニーやシダなどが育ち、島ごとに違った生態系を持っています。
・下流の海岸地帯はマングローブの林が広がりカニや小魚の住処となり、それを狙うワニや鳥類の餌場となっています。
オハイオ州の滝
更にシカなど温帯に住む生物が熱帯性・亜熱帯性の動植物と共存してる点でも特殊な場所です。
・このように温帯と熱帯の動植物が入り混じったり、海水と淡水が入り混じるこの場所にはゴムノキなど固有種を含む1,000以上の植物と700以上の動物が生息しています。
フラミンゴ
オオフラミンゴ
フロリダマナティー
フロリダピューマ
逸話・伝説
・最初の危機遺産を契機に、動植物に悪影響を及ぼすモーターボートや商業目的の漁業が禁じられ、外来種の排除なども行なわれています。また、周囲の農地を買い上げて湿地に戻すプロジェクトも行なわれました。
登録基準詳細
(8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
(9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
(10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには、科学上、または、保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。
ドナルド·クラブツリーグレートフォールズ、バージニア州
抱える問題
・上でちょろーっと書きましたが、この辺りはハリケーンのダメージを受けやすいので度々公園が破壊されています。
・マイアミなどの周辺都市がこの湿原から生活用水を引いているので地下水位が低下したり、水質汚染が起こっていて、これも危機遺産登録の原因となっています。
これらの原因の為、公園の状態は安定せず、周辺の開発も相俟ってここ80年間で湿原内のなんと約80%の魚類と約90%の鳥類が絶滅してしまったと言われています…。
現在でもフロリダマナティーやフロリダピューマなど約50種の動物が絶滅の危機に瀕しています
危機遺産として
登録
1993年に、
前年のハリケーン「アンドリュー」による被害などを理由として危機遺産リストに載せられた。
解除
動植物に悪影響を及ぼすモーターボートや商業目的の漁業の禁止、外来種の排除、周囲の農地を買い上げて湿地に戻すプロジェクトが行なわれ。
2007年に危機遺産リストから削除されました、
2回目の登録
水生生物の生態系の悪化などを理由として、2010年に再びリストに登録されてしまいました。
関連用語
マホガニー センダン科マホガニー属に属する3種の木本の総称である。高級木材として知られる。原産地での乱伐がすすんだため、現在では全ての種がワシントン条約によって取引が制限されている。
マングローブ 熱帯~亜熱帯地域の河口汽水域の塩性湿地に成立する森林。
ハリケーン 大西洋北部・大西洋南部・太平洋北東部・太平洋北中部で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速が64ノット(約33メートル毎秒、約74マイル毎時、約119キロメートル毎時)以上のものをいう。
ラムサール条約 ラムサール条約を参照。
フロリダマナティー 、哺乳綱カイギュウ目(海牛目)マナティー科マナティー属に分類されるアメリカマナティーの亜種とされる。最大体長390センチメートル。最大体重1,500キログラム。体色は灰褐色。
フラミンゴ アフリカ、南ヨーロッパ、中南米の塩湖や干潟に生息するフラミンゴ目フラミンゴ科フラミンゴ属に属する鳥の総称である。非常に長い脚と首を持つ大型の鳥である。
フロリダピューマ 食肉目ネコ科の哺乳類であるピューマの亜種。フロリダ州に生息する絶滅危惧種のひとつで、フロリダ半島の先端にあるエバーグレーズ国立公園およびビッグサイプレス国立保護区にて厳重な個体管理がなされており、個体数はわずか30頭前後のみとなっている。パンサー(豹)という名前が付いているが、ヒョウでは無い。
☆☆植から目線コメント☆☆
特殊な気象現象と人間社会との共存の不成功で問題が絶えないこの遺産。
80年間で湿原内のなんと約80%の魚類と約90%の鳥類が絶滅ってもとはどんだけ種類いたんだ!って感じですけど、それだけの種類が失われるっていうのは大変な事ですよね。
これを食い止めるのが世界遺産の目的でもありますけど、是非、そこら辺を解決・改善しつつ
危機遺産脱出を目指してほしいと思います。
植竹でした。
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