1月21日付・密室の本性 | 香川のニュース | 四国新聞社
年明けから先日まで本紙1面で連載した「ほっとけない香川」の第1部・交通マナー編の取材中、交通心理学の識者から興味深い指摘を受けた。
穏やかな気候や県民性に反して、交通マナーの悪さが問題になっているのはなぜか。ハンドルを握れば別人格、と言われることが多いが―。ある識者にこう問うと、「別人格ではなく、本性の表れではないか」と。車内という密室では緊張や抑圧から解放され、つい本当の自分が出てしまう。「香川に限った話ではないが、見られていない所でこそ、ちゃんとするのが成熟した大人ですよ」と。
「このままでは、うどん県戦略に乗せられた観光客に、交通マナーの悪さを言いふらされてしまいますね。行政や地元マスコミは対策に本腰を入れるべき時でしょう� �と苦笑する識者も。
先日、高松市内で車を運転中、自転車の高校生が集団で車前横断する場面に出くわした。歩道に目をやれば、自転車に乗った女性が大型犬の綱を左手で引き、右手1本の運転ですいすいと走り抜けていった。
と、よそ見をしてしまっている自分に気付いて自戒する。人のふり見てわがふり直せ―。言うはやすく行うは難しだが、ここは有言実行といきたい。
人口当たりの交通事故死者数、自転車事故件数などで全国ワースト上位の常連が続く香川。県警などは改善へ躍起だが、一筋縄ではいかないだろう。重ねて追究し、大人の良心に訴えかけていきたい。讃岐うどんのように粘り腰で、細く、長く、時に太く。(F)
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